2009年 05月 22日
産経新聞3月31日の挿絵 |
一か月以上溜まってる挿絵を整理していかないとこのままやめちゃいそうなので
ぼちぼちアップしていこかなと思っております。
NPO法人「自由空間倶楽部」代表理事 蔭山力雄さん(60)
「すごく上手に描けたね」。1月に行われた「こども芸術大学」のたこ作り教室。真
剣な表情でたこに雪だるまや星の絵を描く子供が、蔭山さんの言葉にはにかんだように
笑った。蔭山さんは「テストの点数を気にする競争社会で自信を失う子が多い。芸術は
勉強と違って点数がない。個性を伸ばせばそれがその子の100点」と話す。
「こども芸術大学」は昨年10月に蔭山さんが代表を務めるNPO法人「自由空
間倶楽部」が開設した。子供の芸術教育と地域交流の場を提供しようと版画や絵画、切
り子などさまざまな講座を展開。講師は蔭山さんの出身大学、大阪芸術大学での人脈や
地元作家ら。親子で参加できる人形作りや水彩画教室、木工体験など講座数も豊富だ。
子供芸術大学誕生のきっかけは、蔭山さんが地元、東淀川区で毎年行っている夏祭り
イベント。地元住民がビー玉、コマ回しなど昔ながらの遊びを子供に教え、大人と子供
が一緒になって遊ぶ。そんな光景を見て蔭山さんは「子育てをする上で地域の支援は大
切。地元の人とふれあえる芸術の寺子屋みたいな場所を作って子育てに役立てないか」
と構想をふくらませた。
蔭山さんは店舗デザイナーとしてさまざまな商業施設の内装に関わってきたが、バブ
ル崩壊後は手がけた店舗が次々と倒産。「自分のやってきたことは全然社会に役立って
いなかった」と愕然としたという。その後平成7年に阪神淡路大震災を体験、自身は大病
を患い生死をさまよった。「これまでやってきたことは企業のマネーゲームに踊らされて
いただけ。地域のためになることがしたい」とNPO法人設立へ至った。
蔭山さんは近年、子供を狙った犯罪が増え、外で遊ぶ子供が少なくなった現状を憂い
、地域住民の目が犯罪を防ぐと力説する。「昔は井戸端会議に花を咲かせる近所のおば
ちゃんや雷を降らせるおっちゃんなどが子供に目を光らせていた。町中に〝親〟がいた
ようなもの。子供もそういう親の存在があって地域に参加できていたが今は全然そうい
う関係がない」と話す。「子供がどこで何をして遊んでいるか知らない人も多いのでは
」と話す。
「自分が昔手がけた商業施設は無くなってしまったけど芸術を通じて見せてくれる子
供たちの笑顔はずっと消えない。子供芸術大学は子供と地域を結ぶ〝接着剤〟のような
存在を目指したい」。
仕事に追われて一度は輝きを失いかけたが、子供たちを守るという使命に燃えている
。
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by peko-labo
| 2009-05-22 11:01
| 挿絵